近年、コロナ禍での外出自粛によって、自宅にいる時間をリラックスして過ごしたいという人が増え、自宅でエッセンシャルオイルを楽しむ人も増えているのではないでしょうか。
エッセンシャルオイルは、香りによる癒しやリラックスのために使われることが多いです。
それ以外にも、お風呂や美容、掃除といった様々な用途に使うことができます。
今回は、エッセンシャルオイルの選び方から、おすすめの香りまで紹介します。
Contents
アロマテラピーとは?
アロマテラピーは、植物から抽出した香り成分を使って、ストレス発散やリラックスといった心のケアや美容に役立てる自然療法です。
香りが嗅覚を通して脳に働きかけたり、皮膚を通して自然治癒力を高めることで、疲れた心身を癒してくれることでしょう。
香りによって期待できることは様々ですが、自分の鼻で良い香りだと感じるものを選ぶことが最も大切です。
エッセンシャルオイルとアロマオイルの違い
エッセンシャルオイル(精油)は、植物に含まれる希少な芳香成分を抽出して作られるため、天然成分100%となっています。
その香りは、心身の調子を整えるのに役立つと言われています。
また、アロマバスやアロママッサージなど、肌に直接つけて使うことができます。
一方、アロマオイルは、合成香料を用いて、エッセンシャルオイルに似た香りを再現して作られるため、エッセンシャルオイルとは成分が全く違います。
アロマオイルは、香りを楽しむ用途としては適していますが、心身の調子を整えることはほとんど期待できません。
また、人工香料ですので、肌に直接つけることができません。
そのため、アロマテラピーでは、合成香料なしのエッセンシャルオイルを使用する必要があります。
良いアロマの選び方
エッセンシャルオイルは種類が豊富なため、「何を基準に選んだら良いかわからない」という人も多いのではないでしょうか?
ここでは、エッセンシャルオイルを選ぶときのポイントを紹介します。
パッケージやラベルの項目を確認
合成香料を含んだものは、香りを楽しみたいだけという場合であれば問題ありませんが、香りを楽しむだけでなく、体の調子を整えたければ、純粋なエッセンシャルオイルを使用する必要があります。
購入する際は、ラベルやパッケージに「精油」あるいは「エッセンシャルオイル」という表記があるか確認しましょう。
遮光瓶に入っているか
エッセンシャルオイルは天然成分で作られているため、高温や直射日光などに弱く、変質しやすいです。
そのため、保存する際に光を遮ることが非常に大切です。
紫外線に当たることで、著しく品質劣化が進んでしまいます。
そのため、容器に関しては、最も遮光性のある茶色の瓶に入ったものを選ぶのがおすすめです。
価格
原料となる植物の種類や、抽出方法などによって価格が決まります。
エッセンシャルオイルは植物からわずかしか採れないため、それに見合った価格になるはずです。
安いエッセンシャルオイルは、合成香料を使用したり、アルコールなどで希釈している可能性があります。
最近、極端に低価格で販売されているものもありますが、価格が安いからといって、粗悪品を購入しないように注意しましょう。
お手軽なアロマの楽しみ方
アロマテラピーには、部屋に良い香りを届けたり、スキンケアに活用したりと、目的に応じて色々な使い方ができます。
使い方によってアロマの楽しみ方は広がっていきます。
ここでは、手軽にできるアロマの楽しみ方を紹介します。
ハンカチやティッシュに染みこませる
ハンカチやティッシュに染み込ませて鼻に近づけるだけなので、どこでも手軽にエッセンシャルオイルの効果を取り入れることができます。
ハンカチやティッシュを使うたびに、アロマの良い香りが広がるので、外出中のちょっとした気分転換や、仕事に集中したいときなどにおすすめです。
また、垂らす量は1、 2滴で十分なので、一度に使うオイルの量も抑えられます。
入浴時に入れる
お風呂の温かいお湯によって、アロマの香りが立ちのぼり、鼻で香りを楽しみながら気分をリラックスさせることができます。
また、体を温めたり、肌の汚れを取り除いたりすることができるでしょう。
入浴しながらエッセンシャルオイルを取り入れることで、心身両面をよりリラックスさせることが期待できます。
ディフューザーを使う
アロマディフューザーとは、電気の力で植物の香りを効率よく放出する器具です。
水にお好みのエッセンシャルオイルを数滴加えて、ディフューザーにセットするだけなので、とても簡単です。
天然の優しい香りが部屋全体に広がり、よりリラックスできる空間を作ることができます。
ディフューザーには、気化して香りを拡散させる気化式、霧状にして吹きかける噴霧式、熱で加熱して気化させる加熱式といった様々な種類がありますので、部屋の広さや置き場所などを考慮して、最適なものを選びましょう。
洗面器でフェイシャルスチーム
フェイシャルスチームとは、80℃くらいの熱湯を張った洗面器に、エッセンシャルオイルを数滴落としてスチームを作り、有効成分を含んだ蒸気を顔に当ててゆっくりと吸入する方法です。
湯気が逃げないように、バスタオルを頭からかぶりながら、水面から20センチくらいまで顔を近づけましょう。
温かい蒸気を浴びることで、アロマの香りを楽しみながらリラックスできます。
【目的・悩み別】おすすめの香り
エッセンシャルオイルを選ぶ際には、香りの好みや使用するシーンを考慮することが大事です。
エッセンシャルオイルにはたくさんの香りがあり、香りの種類によって、リラックスや美容以外にも、様々な用途で使われます。
ここでは、目的ごとにおすすめの香りを紹介します。
ストレス解消
ストレス解消におすすめの香りは、スイートオレンジやマンダリン、ベルガモットなど柑橘系の果物や、ハーブから抽出する香りです。
甘くて爽やかな香りが、元気を与えてくれたり、ストレスを解消したりしてくれるので、日頃からストレスに悩まされている人は試してみてはいかがでしょうか。
安眠
安眠におすすめの香りは、ラベンダー、スイートオレンジ、ベルガモット、クラリセージ、プチグレンです。
クラリセージは、南ヨーロッパ原産のシソ科の植物で、ほんのり甘みのある香りが幸福感を与えてくれるため、緊張やイライラで眠れないときにも、眠りにつきやすくなるでしょう。(※1)
プチグレンは、インド原産のミカン科の植物で、フルーティーな香り成分がストレスを抑えて、眠りをサポートしてくれるでしょう。(※2)
柑橘系の香りは気持ちを前向きにさせてくれますが、その中でも、スイートオレンジとベルガモットは、特に気持ちを和らげてくれます。
そのため、睡眠の質を上げたいという人におすすめです。
※1
( 参照 : caon )
※2
( 参照 : AROMA SOMMELIER )
リラックスしたい
リラックスにおすすめの香りは、ラベンダー、カモミール、ジュニパー、ネロリ、ゆず、イランイラン、ローズウッドです。
ジュニパーは、ジンの香り付けにも使われるヒノキ科の植物で、甘味と苦味を含んだ香りが気持ちを落ち着かせてくれるでしょう。(※3)
これらの香りは、気持ちを落ち着かせてくれたり、気分を高めてくれるため、ストレスが取れないときや緊張感が高まっているときなどに、取り入れてみましょう。
※3
( 参照 : AROMA SOMMELIER )
落ち込んだとき
気分が落ち込んだときにおすすめの香りは、ラベンダー、ローズマリー、ローマンカモミール、ネロリ、ゆず、イランイラン、ローズウッドです。
ローマンカモミールは、キク科の植物で、リンゴのようなフルーティーな香りが、不安やイライラした気分を楽にしてくれるでしょう。(※4)
これらの香りは、沈みきった気分を明るくしたり、ストレスで塞ぎ込んだ気分を解放してくれるため、嫌なことがあったり、仕事で疲れている人は取り入れてみましょう。
※4
( 参照 : くらしとアロマ )
PMSを和らげたい
月経前症候群(PMS)を和らげるのにおすすめの香りは、ラベンダー、カモミール、ジュニパー、ネロリ、ゆず、イランイラン、ローズウッドです。
これらの香りでしっかりリラックスすることで、女性ホルモンにも良い影響があるでしょう。
また、月経痛やイライラを抑えてくれますので、特に女性は積極的に取り入れてみましょう。
集中力を上げたい
集中力を上げるのにおすすめの香りは、ローズマリー、ベルガモット、ゼラニウム、ペパーミント、ユーカリ、レモンです。
気分を高めたり、脳を目覚めさせるため、勉強や仕事中に頭が疲れてぼんやりしてきたら取り入れてみましょう。
コーヒーなどを摂取しなくても、眠気を覚ますのをサポートしてくれます。
アロマテラピーの注意点
エッセンシャルオイルには植物の有効成分が高濃度で含まれているため、使用にはいくつか注意が必要です。
ここでは、アロマテラピーを安心して楽しむための注意点を紹介します。
原液はつけない
エッセンシャルオイルの原液は、香り成分が濃縮されており、皮膚への刺激が強いので、必ず植物性オイルや水で希釈して使いましょう。
もし原液が皮膚についたり目に入ってしまったら、大量の水ですぐに洗い流してください。
万が一、異常が出た場合は、すみやかに病院に行って、医師の診断を受けるようにしましょう。
妊娠中の方
妊娠中にエッセンシャルオイルを肌に直接塗ったり、アロマバスとして使用すると、体内で血液を通してエッセンシャルオイルが赤ちゃんに届いてしまいますので、医師に相談しましょう。
種類によっては子宮収縮や女性ホルモンに影響するものもあるので、赤ちゃんを健やかに成長させるためにも、使用するエッセンシャルオイルの種類には十分に注意が必要です。
ジャスミン、ラベンダー、ローズマリーなどは、生理を促す可能性があるため、使用する際には医師に相談しましょう。
一方で、レモン、オレンジ、グレープフルーツなどは、不安定な気持ちをリラックスさせることが期待できるため、取り入れたいところです。
また、妊娠中は、肌が敏感になっているので、肌への使用はなるべく避け、低濃度で使用することをおすすめします。
乳幼児と一緒に使用するとき
3歳未満の乳幼児には刺激が強いので、低濃度での芳香浴のみにとどめましょう。
3歳以上の場合も、できるだけ刺激の少ないオイルを希釈して、使用量を多くても大人の4分の1以下に抑えましょう。
大人の1回あたりの使用量が1〜5滴であるため、乳幼児に使用できる量は、ごく少量になります。
また、赤ちゃんや子供に負担を与えないよう、アロマを焚くのは短時間にしておくのが無難です。
アロマが古くなってしまったら?
エッセンシャルオイルは、基本的に1年以内に使い切るのが良いと言われています。
古くなったエッセンシャルオイルは、肌につけるとトラブルの原因となるので、使わない方が無難です。
オイルの匂い、透明度や粘度に変化が出てきたら要注意です。
ここでは、古くなったエッセンシャルオイルの活用方法について紹介します。
トイレや車の芳香剤に
エッセンシャルオイルを芳香剤として使うと、香りがしっかり残ります。
小皿に重層を適量入れ、上からエッセンシャルオイルを10滴ほど垂らして置いておくだけなので、非常に簡単です。
クローゼット、洗面所やトイレなどの消臭に大活躍します。
香りが薄くなったら、そのままトイレに流せば便器の掃除もできるので、最後まで有効活用できます。
柑橘系のオイルは拭き掃除に
拭き掃除の時は、バケツの水にエッセンシャルオイルをほんの少し垂らして、雑巾を良い香りで包みましょう。
特に柑橘系のエッセンシャルオイルは油を分解するため、キッチンの掃除にピッタリです。
ヒノキやユーカリなど、樹木系のエッセンシャルオイルを使って床や窓枠などを拭くと、とてもサッパリします。
ただしエッセンシャルオイルは水に溶けにくく、排水溝に流すと詰まる恐れがあるので、一度にたくさん入れないように注意が必要です。
さいごに
今回、エッセンシャルオイルの選び方や楽しみ方について紹介しました。
普段の生活にエッセンシャルオイルを取り入れるだけで、疲れた心も癒やされるかもしれません。
目的や悩みによって、おすすめの香りも変わってきますので、迷ったときは、ぜひ参考にしてみてください。
気分や解消したい悩みに合った香りを楽しみながら、心身ともにリラックスさせてみてはいかがでしょうか。