年間を通して、冷え性に悩む人は多いのではないでしょうか。
日本人の約6割が、冷え性の自覚があるとも言われています。
体を温めようとしても改善されず、日々を過ごしている人は多いのではないでしょうか。
今回は、そんな冷え性に内側からアプローチする飲み物と食べ物をご紹介します。
Contents
冷え性には大きく2種類の原因がある
冷え性には大きく分けて2種類の原因があることをご存じでしょうか。
なんとなく手足が冷たくなるから冷え性と思っている方が多いかもしれません。
冷え性は病気ではなく、体が冷えやすい性質・状態を指します。
体温による定義ではなく、概念があいまいです。
そのため、冷え性の原因となっている要素を改善することで、冷え性は軽減していくと考えられます。
自律神経の乱れ
「意識的に暖かくしているのに冷えが解消されない」、もしくは「体温は通常通りなのに冷えを感じる」という方は、「自律神経の乱れ」タイプの冷え性です。
過度なストレスや過労、不規則な生活、睡眠不足、夏場の過剰な冷房などによって、自律神経のバランスが乱れていることが主な原因で、いわば現代型の冷え性です。
このタイプの冷え性は、温めるよりもリラックスした方が効果がある場合があり、働き世代の大半が当てはまるとも言われています。
自律神経の乱れによる冷え性対策
そもそも自律神経の乱れとはどのような状態なのでしょうか。
体の活動や昼間に活発になる交感神経と、安静時や夜に活発になる副交感神経のバランスが損なわれた状態を指します。
対策としては、生活のリズムを整えることや、適度な運動をしたりリラックスした状態にすることが重要です。
体の中に摂るものだと、ハーブティーは、自律神経を整えると言われているのでおすすめです。
植物の香りは自律神経を整えることが期待でき、香りは脳にダイレクトに届くと言われています。
代表的なハーブとして、カモミール、ジャスミン、フェンネル、クラリセージ、レモンバーム、クローブなどがあります。
自分好みのものを見つけてみてください。
また、食生活に目を向けることもとても重要です。
自律神経を整えるためには、様々な栄養をバランスよく摂ることが大切で、腸内環境を整えることも重要視していきたい要素です。
自律神経と腸内環境は相関関係があると言われており、腸内環境を整えれば、自律神経のバランスの改善が期待できることになります。
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加齢・筋肉量減少
熱をつくる筋肉の量が減ることで冷えを感じやすくなるのが「加齢・筋肉量減少」タイプです。
筋肉量は何もせずにいると加齢と共に減少するため「加齢・筋肉量減少」タイプは、世代として65歳以上の方に多いですが、最近は若い世代にも増えているようです。
在宅時間が増えたことによる運動不足に陥る方は多く、過度なダイエットで筋肉をつくるタンパク質が不足し、筋肉量が減っている人も少なくないようです。
加齢・筋肉量減少による冷え性対策
対策としては、食べ物や飲み物と共に、運動の両面からのセルフケアを行うことです。
「加齢・筋肉量減少」タイプの方は筋肉量をいかに維持していくかが重要なポイントとなります。
そして、筋肉をつくるにはタンパク質が必要です。
肉や魚の動物性タンパク質と豆類などの植物性タンパク質をバランスよく摂り入れることを心がけていきましょう。
また、そもそもの筋肉量を少しでも増やしていくことも重要です。
適度に運動することで体が温まり、筋肉量が増えると基礎代謝が上がるので、まずは軽いウォーキングやストレッチを習慣にすると良いでしょう。
他には、室内でできるスクワットもおすすめで、「大臀筋」や「太もも」などの足の大きな筋肉を鍛えることができるので有効です。
スクワットをするときのポイントは、膝がつま先より前に出ないように、お尻をゆっくりと沈めていくことです。
冷え性改善におすすめ!身体を温める食べ物・飲み物
ここからは、冷え性を改善するために知っておきたい食べ物と飲み物についてご紹介します。
普段の食生活にどれくらい取り入れているでしょうか。
食べ物
・ニンジン、ゴボウ、大根、さつまいも
根野菜は体を内側から温めることができ、寒さをしのぐ野菜として知られています。
夏野菜との違いは、水分が少なく体を冷やさないところで、豊富な栄養素が体を温める動きをします。
豚汁や煮物など、調理方法も様々ですので、食事に摂り入れてみてください。
・漬物、納豆、みそ、キムチなどの発酵食品
発酵食品は、腸内環境の改善や血流の改善を促し、体を温める働きがあると言われています。
納豆は、熱を作るタンパク質も摂取できるため、とてもオススメです。
・生姜やヒハツ
少量でも冷え性改善が期待できるのがスパイスです。
生姜はすりおろして料理に使うイメージがあると思いますが、日本ではヒハツに馴染みがない方も多いかもしれません。
特徴としてヒハツはコショウ科の香辛料で、粉末になっているため、コショウなどの代わりに食べ物や飲み物にふりかけて摂取することができます。
生姜などより少量でも冷え性改善が期待でき、1日の摂取量は小さじ半分ほど(1g程度)が良いと言われています。
使い方としては、料理の時にコショウの代わりに使えると考えて頂いて良いでしょう。
パスタやカレーなどの洋食、味噌汁やうどんなどにかけてもなじみやすく、魚料理や肉料理を作る際の下味に使用するのも良いかもしれません。
飲み物
続いては冷え性改善にオススメな飲み物をご紹介します。
・生姜湯
生姜は身体を温める代表的な食材として知られていて、体の血流を良くし、新陳代謝を上げることが期待できます。
お湯に根生姜をすりおろすか、しぼり汁を入れることで簡単に作ることができますが、市販のチューブタイプでも問題はありません。
・紅茶、ウーロン茶
紅茶やウーロン茶は、茶葉を発酵させている発酵食品です。
体を温める効果があり、冷え性改善効果も期待できます。
・ココア、ホットチョコレート
ココアやチョコレートの原料であるカカオには、テオブロミンとカカオポリフェノールが含まれています。
テオブロミンとカカオポリフェノールは血管の拡張が期待でき、血行を促進させ体を温めると言われています。
・味噌汁
味噌は発酵食品で体を温める食品です。
味噌汁は豊富なバリエーションの具材を入れられるので、体を温める根菜などを入れれば冷え性にとても効果的と言えるでしょう。
冷え性の方にNG!身体を冷やす食べ物・飲み物
せっかく体を温める食べ物・飲み物を摂っていても、同時に体を冷やす食品を摂ってはいないでしょうか。
せっかく体を温めたのに、知らず知らずのうちに身体を冷やす食品を摂っていたら勿体ないですよね。
冷え性改善に逆効果となるNGな食べ物と飲み物も押さえていきましょう。
食べ物
体を冷やす食材として、キュウリやスイカ、ナスなどのウリ科の野菜、レタスやトマトなどの夏野菜が挙げられます。
夏野菜は水分やカリウムが多く、体が冷えてしまうので要注意です。
その他にも、夏が旬、南国育ち、寒色系、水分が多いものは注意が必要です。
果物だと、マンゴーやバナナ、パイナップルなども避けたい食べ物です。
飲み物
・コーヒー
コーヒーに含まれるカフェインには利尿作用があることをご存じの方は多いと思いますが、排尿と同時に熱を体外へ出してしまうため、体温が下がってしまいます。
カフェインには交感神経を刺激する働きもあるため、自律神経のバランスが崩れ血行が悪くなり、冷えに繋がると言われています。
ホットコーヒーであっても体を冷えやすくする飲み物なので、飲み過ぎには注意しましょう。
・緑茶
緑茶にもコーヒーと同様にカフェインが含まれており、利尿作用により体を冷やしてしまいます。
お茶が飲みたい方はカフェインが入っていないものを選び、なるべくホットで飲むようにするのがオススメです。
・アルコール
ビールやウイスキー、焼酎などは体を冷やすと言われています。
アルコール摂取後は体が熱くなりますが、あくまで一時的なものなので、汗や尿とともに熱が排出され、結果的に冷え性を促進させてしまいます。
冷え性改善に役立つ食品を選ぶコツ
冷え性改善のために摂り入れたい食べ物と飲み物をご紹介してきましたが、ここでは冷え性改善に役立つ食品を選ぶコツも併せてご紹介します。
発酵食品、または発酵した食品を使用しているものを選ぶ
発酵食品に入っている酵素は、体の新陳代謝を促して温めてくれます。
大豆を発酵させた納豆や味噌、醤油なども体を温める食品です。
他にはヨーグルト、チーズ、漬物も挙げられます。
日本酒や紹興酒も発酵させて造るお酒なので、体を温めてくれます。
色で判断
色でも体を温める食材か否かを見分ける目安になります。
暖色系は体を温め、寒色系は体を冷やすと覚えておくと良いでしょう。
オレンジや黄色の野菜や果物は体を温め、白・緑・紫などの食べ物は体を冷やす傾向にあります。
ただ、暖色系でも体を冷やすトマトやグレープフルーツ、柿などのような例外もあります。
参考にしてみて下さい。
食品の育つ環境
寒い地方で取れる食べ物は体を温める傾向があり、逆に南国など温かい地方で取れる食べ物は体を冷やしやすい傾向にあります。
食品の原産国や収穫地も参考にして、食品を選んでみてください。
冷え性改善にぴったり「温活ドリンク」
最後に、冷え性対策にぴったりな「温活ドリンク」をご紹介します。
ハーブティー
ハーブティーに最も期待できることはリラックス状態をつくることです。
ハーブティーの豊かな香りが脳の自律神経に働きかけることで、副交感神経の動きを促し、不安や緊張、イライラなどの状態を抑えリラックスさせます。
カモミール、ローズマリー、ローズヒップ、ルイボスティーなど、種類も豊富なので気分で変えてみても良いでしょう。
また、ホットハーブティーを作る際は、沸騰したお湯を使うということがポイントです。
ぬるま湯だとハーブ成分がしっかりと抽出されないため、しっかりと沸騰したお湯を使うようにしましょう。
はちみつ入りスパイスココア
冷え性によいココアに、シナモン、カルダモン、ジンジャーの各パウダーを加えることでポカポカ効果がさらに増します。
はちみつで甘味を加えれば満腹感を得られ、おやつの代わりにもなります。
ハニージンジャー
擦り下ろしたショウガをはちみつと混ぜて作るハニージンジャーは、作り置きしておけるのがおすすめです。
お湯で溶かして飲んだり、紅茶に入れても良いですし、ヨーグルトやクッキーに入れて楽しむこともできます。
さいごに
冷え性と一言で言っても、原因は人によって様々です。
今の自分に必要な対策を見つけられると良いですね。
まずは食べ物や飲み物を意識して変えることで、体がポカポカ温められれば、冷え性改善の助けになりそうですね。
加えて、食事や運動については、少しずつできることから始めて、継続することが重要です。
毎日の習慣を見直して、冷え性を改善していきましょう。