今注目したいムードフードとは?おすすめの食品や取り入れ方を紹介

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今注目したいムードフードとは?おすすめの食品や取り入れ方を紹介

2023年のトレンドにあげられている「ムードフード」は、ストレスに対処する食品の一つとして注目されています。
仕事や家庭でストレスと触れ合う機会が多いなかで、食事が体だけでなく心にも良い影響を与えています。本記事では「ムードフード」について知り、日々の生活で活用する方法を紹介します。

ムードフードとは?

ムードフードとは、ムード(気分、感情)を変えることに有効なフード(飲み物、食事)のことです。
正式な定義は決まっておらず、リラックスする成分や、睡眠の質の改善に役立つ成分を含んだ食品がムードフードと呼ばれています。

ムードフードが注目されているわけ

ストレスの主な原因の一つに睡眠の悩みがあります。
TPCマーケティングリサーチ株式会社によると、睡眠改善を目的として機能性表示食品を定期的に摂っている約900名の中で、睡眠の悩みの原因が「ストレス」と回答している人が全体の6割でした。
睡眠の質を上げるために、ストレスを緩和したい人が多いことが分かります。

最近、日本では睡眠の改善をうたう乳酸菌飲料がヒットしました。
ストレス緩和のために、普段の食生活から手軽に取り入れられるムードフードが注目されています。

ムードフードの食品に含まれる栄養素

ストレス緩和をサポートすることで注目されているムードフードですが、その食品に含まれる栄養素にはどんなものがあるのでしょうか。
いくつか栄養素や食品を紹介します。

「テアニン」を含む食品ー緑茶

テアニンはお茶に含まれるアミノ酸の一つで、緑茶に多く含まれます。

人には脳波と呼ばれる脳の神経に伝わる電気信号がありますが、テアニンを摂取すると脳の神経物質に働きかけ、リラックスした状態の脳波が発生します。
また、テアニンは興奮作用を抑制する働きがあり、そのため緑茶に含まれるカフェインの副作用が現れにくいと言われています。
緑茶を飲むと落ち着きを感じるのは、このテアニンが関係しているのです。
ただ、市販のペットボトルの緑茶はテアニンがほとんど入っていないため、お茶を茶葉から淹れて飲むことをおすすめします。
もし市販で購入したい時は、テアニンと記載されている機能性表示食品を選ぶと良いでしょう。

さまざまな「ハーブ」

ハーブは、ヨーロッパでは医療用で使われていた植物ですが、今はハーブティーとして広く知られています。
例えばカモミールやレモンバームは緊張を和らげ、ストレスの緩和に役立ちます。
また、ローズヒップは、ストレスによる活性酸素を抑制するために必要なホルモンの働きを高めてくれます。
ご自身の体調や気分に合わせて、お好みのハーブティーを試してみてください。

「ギャバ」を含む食品ー発芽玄米、チョコレート、トマト、アーモンド、キムチなどの発酵食品

チョコレート食品に含まれるものとしてお馴染みのギャバは、天然のアミノ酸の一つで、緊張状態にある脳をリラックスさせる働きがあります。
脳に興奮を与えるものとして、ドーパミンを代表する神経伝達物質がありますが、ギャバはそれらの神経伝達物質の過剰分泌を抑えます。

ギャバは、野菜や発酵食品、チョコレートなど身近な食品に含まれており、アーモンドや発酵食品であるキムチなど様々な食品で摂取できます。
推奨される摂取量は1日10mg〜50mgに対し、トマトは100gで62mg、発芽玄米は100gで3mg、チョコレートは100gで9mg摂取できるため、日々の食事で十分補えることが分かります。
他にも、じゃがいもやキャベツ、人参と、主に野菜や果物、発酵食品に含まれるため、バランスの良い食事を意識しましょう。

「グリシン」を含む食品ー豚肉、鶏肉、ホタテ貝柱、タラ、イカ、大豆など

グリシンは、たんぱく質をつくるアミノ酸の一つで、細胞をつくるコラーゲンの材料にもなります。
コラーゲンをつくる他に、脳や脊髄の神経系の働きを休ませる働きがあり、質の良い睡眠を促すサポートをします。
睡眠改善のためのサプリメントとして使用されるグリシンですが、身近な食品では豚肉に多く含まれています。
人間の体に必要なグリシンは、日常的な食事において過剰摂取はないと言われています。
肉や魚介類に多く含まれているため、日々の食事に取り入れると良いでしょう。

「オメガ3系脂肪酸」を含む食品ーえごま油、アマニ油、サバ、イワシなど

オメガ3系脂肪酸は、体の中でDHAやEPAという成分に変わり、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの分泌を上げる働きがあります。
オメガ3系脂肪酸は、体内に蓄積する脂肪を分解する働きがあり、えごま油やアマニ油、サバやイワシなどの青魚からも摂ることができます。
えごま油やアマニ油は熱に弱いため、サラダやお味噌汁など料理にかけて摂ると良いでしょう。

ムードフードの取り入れ方

ムードフードと呼ばれる食品について説明しました。
ここからは、日常的に取り入れる方法を紹介します。

健康的な生活習慣

ストレスに負けない体づくりには、健康的な生活習慣を送ることが大切です。
食事のバランスに偏りがあったり、睡眠時間が変則的だと、ホルモンのバランスが崩れてストレスによる影響をうけやすくなります。
ムードフードを取り入れることと併せて、毎日同じ時間に食事をし、十分な睡眠時間を確保しながら、健康的な体の土台をつくりましょう。

バランスの良い食事

ムードフードと呼ばれる食品は、日々の食事で十分摂取できます。
ただし、どれか一つに絞って摂取すると栄養バランスが偏ってしまいます。

ギャバは野菜や発酵食品、グリシンは豚肉や魚介類と大豆、オメガ3系脂肪酸は青魚に多く含まれています。
これらの栄養素を、日々の食事でバランス良く取り入れることが大切です。
例えば、食事はメインとなる豚肉や魚介類などの主菜1種に、野菜中心の副菜1種がおすすめの献立です。
飲み物はお茶やハーブティーに変えてみるのも良いでしょう。

サプリ・機能性表示食品を活用する

ムードフードとされる成分は、食事から摂るだけでなく、サプリや機能性表示食品から摂ることもできます。
不足している栄養素を手軽に摂ることができるため、毎日の食事のサポートとして活用することもおすすめです。

ムードフードを効率よく摂取するために

ムードフードからより効率的に栄養素を摂取するには、栄養が吸収されやすい体づくりが大切です。

腹八分の食事

栄養素をしっかり吸収するには、腹八分目を意識しましょう。
暴飲暴食をしていると胃腸に負担がかかるため、適切に栄養素を十分に吸収できない可能性があります。
腹八分目にするコツは、食事を小皿に入れて量をコントロールすること。
大皿に入れて食べると、どれだけの量を食べたか判断しにくくなります。
また、主菜に多い脂ものは小さい皿、野菜が多い副菜は大きい皿に入れて量をコントロールすると良いでしょう。
一汁三菜を意識することで、よりムードフードを取り入れやすくなります。

食事は決まった時間にする

食事は3食、同じ時間にとると良いでしょう。
食事の時間がばらばらになったり、3食のうち1食を抜くと、体が飢餓状態になることを防ぐため、エネルギーを蓄えるようになります。
バランス良く3食取ることで、生活リズムが整い、消化活動もスムーズに動きます。
必要な栄養素をしっかり吸収できるよう体を整えると良いでしょう。

さいごに

ストレスの対処法として注目されているムードフードを紹介しました。
ムードフードと呼ばれる成分や食品は、日々の食生活で摂取できるものもたくさんあります。
一汁三菜の食事や、決まった時間に食事をするなど、ムードフードを取り入れることと健康的な食生活は連動していると言えるでしょう。
ストレスがあってもなくても、普段の食生活からムードフードを摂ることを意識してみてはいかがでしょうか。
心身ともに、ストレスに負けない健康的な体を手に入れましょう。

この記事の監修者

東海林 莞奈  管理栄養士

経歴
家政学部・管理栄養学科を卒業後、老人ホームと保育園で給食管理業務を経験。
現在はフリーランスとして、離乳食や家族向けの調理サービスを提供している。
子ども向けの食育や栄養講座、ファスティング講座の講師としても活躍。

自己紹介
フリーランス管理栄養士の東海林莞奈です。
これまでは、子どもとお年寄りの食事管理に関わってきました。
この経験を活かし、家庭での食事や栄養をサポートしたいと思いフリーランスに転向。
今後は、働く世代やママなど、さらに幅広い方の健康をサポートする活動をしていきたいと考えています。