最近増えている「デジタル時差ボケ」の原因と対策とは?

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最近増えている「デジタル時差ボケ」の原因と対策とは?

近年、多くの人にとって、スマホは日常生活で欠かせない存在となっています。
ついつい、スマホの画面を見ながら長い時間を過ごしてしまうという人も多いのではないでしょうか。
生活が便利になっている一方で、スマホから発するブルーライトが睡眠状態に悪影響を及ぼすことも知られています。

新型コロナウィルスの影響を受け、自宅にいる時間が増えたことで、「デジタル時差ボケ」に悩む人が増えています。
原因を把握してしっかりと対策を行い、日常生活を気持ちよく過ごしましょう。

「デジタル時差ボケ」とは?

スマホやパソコンの画面から発するブルーライトを浴び続けると、睡眠ホルモンであるメラトニン分泌のバランスが崩れます。
ブルーライトの影響により、睡眠のリズムが乱れて、脳が昼夜逆転に陥ることを「デジタル時差ボケ」といいます。
「デジタル時差ボケ」により、日中の集中力が低下し、仕事や勉強の能率が下がる可能性もあるので注意が必要です。

「デジタル時差ボケ」の原因

新型コロナウィルスの影響により、テレワークになるとともに、スマホやパソコンなどのデジタルデバイスに触れる時間が増加しています。
そんな中、先に述べた通り、画面から発するブルーライトが、デジタル時差ボケを引き起こす原因になっています。

特に、スマホやゲーム機のブルーライト量は、液晶テレビの約2倍にもなるため、長時間見続けると、自律神経が乱れて睡眠の質の低下に繋がります。
デジタルデバイスの普及とともに、本来眠るべき時間にブルーライトを浴びることが日常的になり、体内時計が乱れている人が増えています。

そのため、寝る前にベッドでスマホを使用する時間が長い人ほど、デジタル時差ボケになりやすくなります。
参考:ブルーライトの浴びすぎで昼夜逆転?「デジタル時差ボケ」とは

「デジタル時差ボケ」チェックシート

眼科専門医である林田康隆先生 監修のデジタル時差ボケチェックシートを使って、自分の生活を振り返ってみましょう。

□日中、眠いと感じることが多々ある。
□目の痛みや疲れ、乾きなどのトラブルを感じやすい。
□合計すると1日8時間以上、テレビやPC、スマホなど電子機器の画面を見ている。
□PC、スマホなどの電子機器は90分以上連続で使用していることが多い。
□本や漫画、雑誌を読む際は、電子書籍を利用することが多い。
□寝る前にはたいていベッドでスマホを見る。
□朝起きるときに朝日を浴びる習慣がない。
□首や肩が痛いと感じたり、凝ったりすることが多い。
□通勤や通学の移動時間など、隙間時間はスマホを見たりゲームをしたりが大半だ。
□毎日適度な運動をする習慣がない。

6個以上当てはまるようであればデジタル時差ボケ状態、4個以上だと予備軍ですので、生活習慣を改善する必要があります。

こんな習慣がある人も注意!

チェックシートの項目以外にも、普段の生活でデジタル時差ボケを引き起こすような行動をしている可能性があります。
以下の項目に心当たりがある人も、注意しましょう。

1. 起きる時刻が毎日バラバラ

人の体内時計は24時間より少し長いため、夜型になりやすいと言われています。
そのため、毎朝決まった時刻に起きて、睡眠を規則的にとることが大切です。
特に、休日にお昼まで寝ているような方は、体内時計が大幅に乱れてしまっている可能性があります。

デジタルデバイスの画面を長時間見続けて、体内時計が乱れることで、時差ボケのような症状が現れます。
例えば、頭がぼんやりして体がだるい、日中の眠気が強く夜の眠りが浅いなどの症状です。
デジタル時差ボケを防ぐためにも、できるだけ規則的な就寝・起床を心がけましょう。

2. 朝日を浴びず1日が始まる

人の全身の細胞や臓器を制御する司令塔である親時計は、脳の中にあります。
この親時計は、明るい光によってリセットされると言われています。

朝起きたら、まずはカーテンを開けて、明るい光を浴びましょう。
晴れた日の太陽光は、室内の照明の100倍を超える明るさです。
太陽光を浴びることで、夜の睡眠ホルモンも増えて睡眠の質も良くなるため、デジタル時差ボケで乱れた睡眠状態の改善に繋がります。
日中は、30分以上太陽光を浴びながら過ごすようにしましょう。

3. 食事の時間が日によって変わる

全身の細胞1つ1つにサブ時計が存在しており、サブ時計が親時計と同調することで、全身をすっきりと目覚めさせることができます。
親時計はサブ時計に時間情報を伝え、それを受けたサブ時計が睡眠やエネルギー代謝のリズムを作り出します。

朝食をとることで、サブ時計の働きによるホルモンや酵素づくりを促進し、デジタル時差ボケで乱れた全身の体内時計のリズムが整うため、一日をすっきりした気分で過ごすことができます。
朝食をとらない人も多いようですが、まずは朝食をしっかりとって、調子良く1日をスタートさせましょう。

また、昼食もできるだけ決まった時間にとるようにしましょう。
食事や入浴、睡眠などの時間が毎日決まっていることで、体内時計が正確に機能し、睡眠の質を高めるため、デジタル時差ボケの改善にも繋がります。
参考:デジタル時差ボケに注意!体内時計を整えて睡眠の質UP

4. 夕方以降に仮眠をとる

テレワークが普及したことで、仕事の合間に仮眠をとることも増えたかもしれません。
仮眠は、午後3時までに15分程度とることで、集中力が高まるのでおすすめです。
ただし、仮眠を長くとりすぎたり、夕方以降にとってしまうと、夜の睡眠の質が低下する原因になるので注意が必要です。
就寝前8時間はうたた寝しないように気をつけましょう。

5. 寝る直前までパソコンで仕事

テレワークの場合、夜遅くまで仕事をしてしまう人も多いことかと思います。
パソコン画面から発せられるブルーライトを浴び続けると、体内時計が後退し、眠気が起きにくくなります。
気持ちよく眠れるように、寝る前2時間くらいはリラックスタイムをとりましょう。
パソコンをオフにして、ぬるめの入浴、軽い読書やストレッチで気持ちを落ち着かせてから、ベッドに入るのがおすすめです。

生活習慣の改善による「デジタル時差ボケ」対策4つ!

テレワークの場合、長時間デジタルデバイスを見続けなければならないという人も多いはず。
そんな人でもできる、デジタル時差ボケ対策方法をご紹介します。

1. 画面を見る時間は6時間以内におさえる

デジタルデバイスの液晶画面を見る時間として、厚生労働省は4時間以内を推奨していますが、仕事でパソコンを使う時間を考慮して、まずは8時間以内に収めたいところです。
ただし、夜間のホルモン分泌のバランスを崩さないようにするためにも、就寝前2時間は画面を見ないようにしたいので、その2時間を差し引いて6時間と考えましょう。

しかし、仕事でパソコンを使う人であれば、すぐに6時間は超えてしまうかもしれません。
その場合は、こまめに休憩を挟むなど、目を休めることを意識すると良いでしょう。

2. 周りの明るさに合わせてスマホ画面の明るさを調節

一定の明るさの画面をずっと見ていると、暗い場所に移動したときに、画面がまぶしく感じることがあるのではないでしょうか。
画面を明るく設定していると、目への負担も大きくなります。
周囲の明るさに合わせて、こまめに画面の明るさを変更しましょう。

どうしても寝る前にスマホを確認したい時は、最低限文字などが読めるくらいの明るさにするのがおすすめです。

3. デジタルデトックスする

休日にデジタルデバイスの液晶画面を見ない「デジタルデトックス」をすることも有効です。
休日はスマホをできるだけ触らずに、本を読んだり、友人や家族との会話の時間を楽しむのも良いですね。

現代人にとって、デジタルデバイスと距離を置くことは、意識しないと難しいことです。
デジタルデバイスを手放すことで、情報から解放され、心身ともにリフレッシュすることができるでしょう。
休日はぜひアナログ生活で、リラックスした時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

4. ブルーライトカット眼鏡を使用

やむを得ず画面を長時間見る必要がある際には、ブルーライトカット眼鏡をつけましょう。
商品を選ぶときのポイントは、カット率です。
カット率が高いほど、より多くのブルーライトをカットすることができますが、カット率が高すぎたり、レンズに色がついたりしていることで、目が疲れたり日常使いしにくい場合があります。

ブルーライトは太陽光にも含まれており、毎日の目覚めと同時に浴びることで、体内時計のリズムのズレを修正するのにも役立ちます。
カット率を高くしすぎて、日中から過剰にブルーライトをカットしてしまうことは、必ずしも良いとは言えません。

そのため、ブルーライトをカットしたい人でも、日中に長時間パソコンを使う場合は、カット率30%程度のものがおすすめです。
暗い場所で作業する場合は、目への負担が大きくなるため、カット率60%程度のものが良いでしょう。
用途や時間帯に合わせて選ぶことが大事です。

目をいたわる!3つのアイケアトレーニング

どうしてもデジタルデバイスの接触時間が長くなってしまう場合には、目のストレッチをすることをおすすめします。
凝り固まった筋肉をほぐして、酷使した目を休ませて疲れを取りましょう。

1. 遠近ピント調節のストレッチ

[やり方]
目の前、ピントが合う最も近い位置で、人差し指を立てて見つめる。
その後、そのまま前に腕を伸ばし、人差し指の指先を見つめて、ピントを合わせる。
上記の工程を交互に繰り返す。

目の前と遠くを交互に見つめることで、ピントを合わせるときに使う筋肉をほぐすことができます。
画面を近距離で長時間にわたって見続けることで、ピント調節のための筋肉が凝り固まってしまいます。
ストレッチをして、定期的にほぐしてあげましょう。

2. グーパーしっかりまばたき

[やり方]
目をぎゅっと瞑り、1秒数えてから、ゆっくりと開くという工程を数回繰り返す。

集中して何かを見ていると、まばたきの回数が減少するため、目の表面が乾燥してドライアイの原因にもなります。
意識的に強くまばたきをすることで、目の乾燥を防ぐことができます。

3. 眼球ぐるぐる運動

一点だけを長時間見つめていると、視線を動かすための筋肉が凝り固まってしまいます。
目が凝り固まっていると、目が重く感じたり、目の奥に痛みを感じるようになり、さらには首や肩の痛みに繋がります。
気がついたら凝っていることのないよう、意識して目の周囲の筋肉をほぐしてあげましょう。
目の疲れを感じたときには、目を休ませるだけでなく、眼球のトレーニングをすると良いでしょう。
やり方は簡単で、目を開いて、視線をゆっくりぐるぐる回すという工程を数回繰り返します。

また、寝る前にホットタオルなどで目を温めることで、目の周りの血行が良くなって、睡眠の質も高まります。

さいごに

デジタル時差ボケは、 デジタルデバイスが普及している現代ならではの症状です。
デジタル時差ボケの状態は、日中の集中力を低下させ、仕事の能率にも影響する可能性があります。

ブルーライトを全く浴びずに生活するのが難しくなっているため、日常生活で、いかに目の健康に気をつけるかが大事です。
スマホの画面を暗くしたり、目の疲れをとるトレーニングをこまめにしたりと、できることから意識していきましょう。