冷え症は寿命を縮める!?冷え症改善に役立つ7つの生活習慣

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冷え症は寿命を縮める!?冷え症改善に役立つ7つの生活習慣

女性の2人に1人が冷えを感じ、3人に1人が冷え症による頭痛や肩こり等の身体的な自覚症状があるとされています。
女性は男性に比べて筋肉量が少なく、作り出される熱量も少ないため、特に冷えを感じやすくなっています。
冷え症は、何らかの原因によって「末梢血管の血行障害」が進行している状態。
冷え症を放置すると、さまざまな体調不良や病気を引き起こし、寿命を縮めかねません。正しい知識を持って、冷えを改善して病気を予防しましょう!

なぜ体が冷えるのか?

体が冷える理由は大きく分けて3つあると言われています。

①皮膚にある、温度を感じる神経の機能が鈍くなる。
②自律神経がうまく機能しなくなる(自律神経失調)。
③血流が悪いため末端まで暖かい血液が流れにくくなる。

ここからは具体的な原因を紹介していきます。

運動不足による筋肉の衰え

私たちの体は、寒さを感じると体温を上げて寒さに対応しようとします。
筋肉はその体の熱を生み出すのに大きな役割を担っています。
運動不足で筋肉量が少なくなると、熱を生み出せる力が弱くなるため、冷え症になりがちです。

ストレス過多、睡眠不足

手足などの血流は自律神経の働きによって調節されているため、ストレスにより交感神経が緊張すると、血管は収縮して血行が悪くなります。
手足がなかなか温かくならない人は、自律神経の働きが乱れて血流の調節がうまくいっていない可能性があります。

冷たい飲食物の摂取過多

代謝により食べ物からの栄養をエネルギーに変える際に生み出されるエネルギーの大半は熱となり、体温の維持に役立ちます。
冷たい飲食物を摂取した場合、摂取後にその冷たいものが体温と同じ温度まで高められる時に、周囲から熱を奪うので内臓が冷えることになります。

低い気温

人間が暮らしている環境では多くの場合気温が体温より低いので、血管を細くして皮膚から逃げる熱を少なくしたり、衣服で保温することをを必要としています。
体温より低い気温に体が晒されていると、当然体は冷えてしまいます。

血流の不調

血流の不調を引き起こす疾患も、冷え症の原因となります。
例えば、血管壁が厚くなり弾力性が失われて血液の通り道が狭くなる動脈硬化、血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンの濃度が低下する貧血、血液を全身に流れさせる力が弱くなる低血圧などが挙げられます。
これらの疾患により、末端の毛細血管に温かい血液が流れにくくなります。

栄養が偏った食生活

栄養バランスが偏った食事を続けていると、体を動かすエネルギーや体温を保つための熱をつくり出すタンパク質や脂質、炭水化物と、それらの栄養を熱に変えるビタミンやミネラルが不足し、冷え症になります。
極端に食事制限をすると、エネルギーや熱を上手につくれず、体温を適切に保てなくなり、冷え症を引き起こすことになります。

きつい下着や露出の多いファッション

体を強く締めつける下着は、血液の流れを妨げるので、冷え症の原因になります。
また、ミニ丈のボトムや素足にサンダルといった露出の多いファッションも、冷え症を引き起こすことがあります。

女性ホルモンの乱れ

女性ホルモンは女性の心と体をコントロールするだけでなく、手足の先に向かう細い血管を拡げて、血流を多くする作用もあります。
そのため、ストレスや更年期などによって、血流や熱産生を調節するためのホルモンバランスが乱れて自律神経が影響を受けると、血行が悪くなり体の冷えにつながります。
また、体温が下がると生理痛や生理不順が起こりやすくなります。

体が冷えるとどうなるの?

手足をはじめ、腰やお腹にも冷えを感じるようなら、要注意です。
放っておくと、体調不良を引き起こしかねないため、冷えない対策をしていくことが大切です。
ここでは、体の冷えが具体的にどういった症状を引き起こすのかをご紹介します。

血流が悪くなる

体の冷えによって血管が収縮すると、体内の血流が悪くなることで特に手足の毛細血管にまで新鮮な血液が運ばれにくくなり、ますます手足が冷えてしまうのです。

また、体が冷えると内臓を先に温めようとします。
そのため血液が体の中心に集中し、末端部に十分に熱が行き届かず、手足の冷えが続いてしまいます。
体が冷えて血流が悪くなることで、さらに体が冷えるという悪循環に陥ってしまうでしょう。

老廃物が溜まる

冷えで血流が悪くなると代謝が低下し、体のすみずみまで酸素や栄養素が届きにくくなり、老廃物が溜まりやすくなります。
また、下半身に老廃物が蓄積されると、「セルライト」というかたまりになることもあります。
長い時間をかけ、皮膚の奥で少しずつ成長したセルライトが徐々に表面化し、肥満や生活習慣病の原因にもなりえます。

免疫力が低下する

体温が下がることで血流が悪くなると白血球の数が減るため、免疫力も低下し、疲労を感じやすくなったり、風邪を引きやすくなったりします。
免疫力の低下により、生活習慣病などの病気につながる可能性が高くなります。

肉体面に不調をきたす

体の冷えにより、以下のような身体的不調をもたらします。
いずれも生活に支障をきたすため、普段から予防をすることが大切です。

<不調の例>
慢性的なだるさや疲労感、頭痛、不眠、便秘・下痢、食欲不振、肩こり、腰痛、むくみ、肌荒れ、生理痛

精神面に不調をきたす

体の冷えによりイライラを感じやすくなり、交感神経が緊張すると、末梢血管は収縮して、さらに血行が悪くなってしまいます。
それにより、さまざまな体の不調が続き、うつ状態になる可能性もあります。

冷え症改善のために意識すべき8つの習慣

冷え症は、毎日の生活習慣を変えるだけで劇的に改善します。
ここからは、冷え症改善に向けて今すぐ実践できる生活習慣をご紹介します。

筋肉を鍛える

運動は血液の循環をよくして体全体を温めてくれますし、体を鍛えて筋肉量を増やすことで、作り出される熱量が増えて冷え症を改善することができます。

体の中で一番大きな筋肉は「太もも」です。
また、ふくらはぎは、末端の血液を心臓に戻すポンプのような働きがあります。
太ももとふくらはぎを鍛えることができるスクワットを、日頃の生活に組み込むのがおすすめです。

また、ウォーキングといった有酸素運動も効果的です。
歩幅を大きくしたり、できるだけ階段を使うことを意識するだけでも筋肉を刺激できます。

冷たい飲み物を控える

暑いときに冷たい飲み物を飲みたくなりますが、飲みすぎると体の冷えにつながります。
飲み物は必ず常温以上のものを摂ることが重要です。

寝起きや食前に、白湯をコップ1杯飲むと体が芯から温まるのでおすすめです。
冬になると常温でも飲み物が意外と冷えてしまっていることもあるため、飲む前に少し温かくして、体温より温かいものを飲むように心がけてみてください。

体を温める食材を選ぶ

体を温める効果がある食べ物を食べるのも、冷え症対策としては効果的です。
ジャガイモやれんこんといった根菜類は、体を温めると考えられています。
また、味噌や醤油などの調味料も体を温める効果があります。
どの食材も、温めた料理にすることで、体を温める効果がよりいっそう期待できます。

ビタミンやミネラル、タンパク質の豊富な食事を心掛ける

ミネラル・ビタミンが不足してしまうと、食べ物からエネルギーや熱を作ることができないため、体温が上がらず冷え症になってしまいます。
食事で十分に摂れない場合は、サプリメントで補ってもよいでしょう。
また、タンパク質は熱として消費される量が多く、運動とは関係なく熱を産生するため、運動量の少ない人でもタンパク質の摂取量を増やすと熱が発生しやすくなります。

甘いものを控える

糖分には体を冷やす作用がありますので、過剰摂取はやめましょう。
過剰な砂糖はヘドロ状の「痰湿」を生み出して血管を弱らせ、血液も濁らせてしまいます。
血中の血糖値や中性脂肪が増えると血管は詰まりやすくなるので、糖質の過剰摂取は控え、熱を産生するタンパク質や質の良い脂質を摂ることが重要です。
酒粕や味噌、甘酒など血の巡りを良くする食材や、痰湿を取り除く豆類や玄米、大根なども積極的に取り入れるとよいでしょう。

アルコールを飲みすぎない

アルコールは体を温めると思われがちですが、アルコールの代謝産物であるアセトアルデヒドには、血管を拡張させる作用があります。
そのため、皮膚から熱が大量に放散されることになりますので、お酒を飲み過ぎると汗が出て体温が低下してしまい、冷えを促進してしまう恐れがあります。

湯船に浸かる

忙しいとついシャワーで済ませてしまいがちですが、体を温めるには湯船に浸かるのが一番です。
夏場でも40〜42度のお湯で、できれば毎日、肩までしっかり浸かって体を温める生活習慣をつけましょう。

半身浴は気持ちよいですが、上半身が冷えるため冷え症改善にはおすすめできません。
また、湯船に浸かれないときは、シャワーだけですませず、足湯で下半身をしっかり温めることで、血液の循環がよくなり、冷えを予防します。

気候に合わせた衣類を着る

スカートやストッキングなどの女性の衣類の多くは保温性が低く、薄着も多いので冷えやすい傾向にあります。
下着は薄手で吸湿性がよいものを着ておくと、汗を吸い取って冷えを防いでくれますし、面積の広いものを着用して体の深部を温めることで、血流がよくなり末端部を温かく保つことができます。

普段から冷えを防ぐために重ね着できるような衣類を準備しておきましょう。
また、スキニージーンズやストッキングといった体を締め付けるものを身につけると、血流が妨げられて冷えを引き起こすことになりますので、体を締め付けすぎない衣類を選ぶこともポイントです。

以上の点を踏まえ、血流を妨げないようなファッションを楽しみましょう。

まとめ

冷え症は生活習慣の改善で解消することが可能です。
今回紹介した方法は、いずれも生活に取り入れやすいものばかりです。
体の冷えの改善に向け、できることから始めていきましょう。

この記事の監修者

東海林 莞奈  管理栄養士

経歴
家政学部・管理栄養学科を卒業後、老人ホームと保育園で給食管理業務を経験。
現在はフリーランスとして、離乳食や家族向けの調理サービスを提供している。
子ども向けの食育や栄養講座、ファスティング講座の講師としても活躍。

自己紹介
フリーランス管理栄養士の東海林莞奈です。
これまでは、子どもとお年寄りの食事管理に関わってきました。
この経験を活かし、家庭での食事や栄養をサポートしたいと思いフリーランスに転向。
今後は、働く世代やママなど、さらに幅広い方の健康をサポートする活動をしていきたいと考えています。