健康志向の人が増えている近年、「オーガニックコスメ」という言葉がSNSや雑誌で取り上げられ、多くの人から注目を集めています。
オーガニックと聞くと、何となく環境やお肌に優しいイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。
今回は、知っているようで知らない「オーガニックコスメ」の定義やメリット、おすすめのブランドをご紹介します。
Contents
オーガニックコスメとは?
オーガニックとは、農薬・化学肥料に頼らず、有機肥料で作られている農作物のことを言います。
オーガニックコスメは、そんな有機成分で作られている植物や農作物を主成分にしているコスメのことです。
自然が持つ効果効能で、人の自己回復力やバリア機能をサポートすることがオーガニックコスメの特徴です。
ただし、オーガニック成分が1%でも含まれていると「オーガニックコスメ」と言えてしまうため、商品の成分表を確認することをおすすめします。
せっかく使うのであれば、成分にこだわったものを使いたいですね。
オーガニックコスメの定義
オーガニックコスメには、どのような基準が設けられているのでしょうか。
実は、オーガニックコスメを定義するための世界的に統一されたルールはありません。
特徴としては、有機の植物や農作物の成分を使用し、化学的な成分をごく一部、もしくは全く使用していないことや、環境、社会に配慮した製造方法を推奨していることなどがあげられます。
他のコスメとの違い
オーガニックコスメは他のコスメとどのような違いがあるのでしょうか。
ケミカルコスメやナチュラルコスメと、オーガニックコスメでは、肌へのアプローチ方法が違うので、自分の肌や目的に合わせて選択して使うことが大切です。
ケミカルコスメとの違い
ケミカルコスメとは、短期的に効果を得るために、化学合成物質が配合されているコスメのことです。
肌トラブルに短期的にアプローチできることが特徴ですが、化学物質に刺激を感じる方や、肌本来の治癒能力やバリア機能を育てたい場合は、オーガニックコスメがおすすめです。
ただ、オーガニックコスメも植物自体の栄養が刺激になる人もいるため、心配な人はパッチテストをするとよいでしょう。
ナチュラルコスメとの違い
ナチュラルコスメとは、天然由来の原料を使用し、化学物質が少ない、もしくは使用していないコスメをいいます。
ナチュラルコスメの原料の中に、オーガニック成分を使っているとオーガニックコスメになります。
オーガニックコスメの認証
オーガニックコスメの中には、オーガニック成分が1%しか入っていない、なんちゃってオーガニックコスメもあります。
正式に認証を取得しているオーガニックコスメかどうかを判断するには、認証マークがついているかを確認しましょう。
日本には認証はない
実は、日本には独自のオーガニックの認証マークはありません。
例えば、日本では食品のオーガニックの認証マークとして(有機栽培)JASマークがありますが、化粧品におけるオーガニック認証は存在しないのです。
そのため、オーガニック成分をメインに作られている化粧品を使いたい場合は、海外のオーガニック認証を取得している商品を使うと良いでしょう。
海外の認証
海外では、日本よりもオーガニックの認証が発展しています。
海外の認証マークはどんなものがあるのか、各国の代表的な認証マークを5つご紹介します。
Na True
ベルギーにある認識機関で、世界のオーガニックコスメ認証機関の中でも最も有名な認識機関の一つと言われています。
配合が認められている原料は、「Na True」が定めた自然原料・準自然原料・自然同一原料に限定されています。
製品ごとに天然由来成分の許容配合率、天然成分や水分の配合率、天然ミネラル等の配合率などの割合が細かく規定されており、さらに製品の製造方法、環境保護、動物保護などに関しても厳しい基準が設定されています。
BDIH
2000年に作られたドイツ化粧品医薬品商工連盟(BDIH)が母体の認証です。
BDIHは安全とエコを重視して、どこがオーガニックなのかを正確に伝えることを目的としています。原材料はもちろん、動物保護や容器にも厳しいガイドラインを設けています。
ドイツは世界的にもオーガニック志向が強く、アメリカに次いでオーガニック市場が大きいと言われています。
その分オーガニックの基準が曖昧な商品も存在し、オーガニックの基準を明確にするために設けたのがBDIHです。
SOIL ASSOCIATION
英国のオーガニック認証で、「健康な土壌で育てた植物が、健康な体を生み出していく」という理念があり、健全な植物を育てることに重点を置いたガイドラインを設定しています。
食品・飲料、化粧品、衣料品といった商品に対する認証や、飲食業や林業、農業の事業者に対する認証も行っています。
ACO
食品基準で設定されているオーストラリア最大のオーガニック認証機関です。
日本有機JAS(農林水産省)も含む国際オーガニック認定基準をクリアしているため、コスメ商品でも、誤って口に入っても安全なレベルでなければ認められません。
95%が有機成分であることや、残りの5%についても遺伝子組み換えや化学合成成分が含まれていないなど、厳しいガイドラインが設けられています。
ECOCERT
フランスで設立されたECOCERTは、数ある全世界のオーガニック認証機関の中でも、世界基準のオーガニック認証団体と言われています。
フランスのトゥールーズを本部に世界各地に拠点があり、農作物や加工食品、化粧品と様々な商品に対して認証を行います。
また、発展途上国の原料や製品を適正な価格で購入しているかを判断するフェアトレードの認証も行っており、環境だけでなく、生産者との関係も重視した認証団体です。
COSMOS
ヨーロッパの5つの認証団体が合同でつくったのがCOSMOSです。
国際的なオーガニックの認証を制定するために作られ、ECOCERTもCOSMOSの基準を取り入れてオーガニックコスメの認証を行っています。
遺伝子組み換え、動物実験をしないことはもちろん、人や環境に配慮した製造法や天然素材の扱い方など、厳しいルールを設けています。
また、製品のラベルにはオーガニック成分の割合を95%、100%など明記する必要があります。
オーガニックコスメのメリット・デメリット
オーガニックコスメを使うことによるメリット、デメリットを紹介します。
メリット
オーガニックコスメを使う一番のメリットは、「肌本来の美しさを引き出す」ことです。
刺激の強い化学物質を入れない事により、本来備わってるお肌を美しくする力をサポートします。
また、作物に農薬を使わないことから、農業に携わる人はもちろん、野生動物への農薬被害の削減にも貢献できます。
近年、貴重になっている石油の消費も抑えられ、環境汚染の軽減にもなります。
デメリット
デメリットとしては、効果を実感する事が遅い事が挙げられます。
例えば、シミ、メラニンに効くといったような、即効性のある成分は使っていません。
オーガニックコスメは肌の再生能力をサポートし、ターンオーバーをスムーズするような役割をします。
そのため、効果が実感できるまで時間がかかると言われています。
オーガニックコスメを選ぶときの注意点
ケミカル成分が多い化粧品でも、オーガニック成分が1%でも入っていると「オーガニックコスメ」とうたえてしまいます。
せっかく使うのであれば、少しでもオーガニック成分が多いものを使いたいですね。
オーガニックコスメを選ぶときのポイントをまとめました。
認証を受けている
オーガニック成分にこだわっている商品を見分けるには、認証マークが付いているものを見るのが一番分かりやすいです。
海外の厳しい審査を通過したものなので、オーガニックコスメとして安心して使う事ができます。
ただ、認証マークを取るには費用がかかるため、認証マークを取っていなくても、成分にこだわっているオーガニックコスメも沢山あります。
認証マークは、オーガニックコスメの判断基準の一つとして考えるのがよいでしょう。
成分表示を確認
オーガニックコスメを選ぶ際、商品の成分表を確認してみましょう。
成分表は、配合の多いものから記載されています。
成分表はネットですぐに検索できるので、気になっている商品がどんなこだわりを持っているか、調べてみるのもおすすめです。
自分の肌に合ったものを選ぶ
オーガニックコスメだからといって、低刺激とは限りません。
人によって成分の相性もあり、また長年ケミカルコスメを使っていた場合、肌が「石油依存」になっていることもあります。
オーガニックコスメを初めて使う人は、使い始めに刺激を感じたり、効果が出にくいこともあるかもしれません。
オーガニックコスメを試してみたものの、肌に合わない人は、無理をせず、自分のお肌に合ったものを選びましょう。
おすすめオーガニックコスメブランド10選
オーガニックコスメを使ってみたい方に、おすすめのオーガニックコスメブランドをご紹介します。
F organics
使用される植物成分の95%以上がオーガニック原料のコスメブランドです。
スキンケア商品に特化していて、特におすすめなのがUVミルク。
オーガニック、且つ100%天然由来なので、スキンケアしながら紫外線ケアもできる優れもの。
軽いファンデとしても使える化粧下地用もあるので、近所へのお買い物や散歩など、気軽なお出かけの際に試してみてはいかがでしょうか。
ZAO
オーガニックのメイクアイテムと言えば「ZAO」と言っても良いくらい、成分にこだわり抜いたメイク用のオーガニックコスメブランドです。
竹の「シリカ」を主成分にしており、メイクしながらスキンケアができることをコンセプトにしています。
オーガニック認証も取得し、天然由来100%で作られています。
着色料も使用せず、全て野菜や自然のものから色を取っていますが、自然由来とは思えないほど、メイクの発色が良いことも特徴です。
ヴィーガンコスメとしても知られており、ヴィーガンの人にもおすすめです。
HANA ORGANIC
天然由来95%であり、スキンケア商品では植物原材料の85%以上はオーガニックのものを使用している国産のオーガニックブランドです。
スキンケアからメイクまで幅広いラインナップがあり、公式WEBページでは、全商品の原材料一つ一つの効能もすべて明記しているため、成分が気になる方はチェックすると良いでしょう。
おすすめは3WAYトリートメントパックで、頭皮ケアもできるヘアトリートメントです。
頭皮ケアもしつつ、髪もしっとりまとまると人気の商品です。
INLIGHT beauty
100%オーガニックのイギリス生まれのブランドです。
植物療法医であり漢方医の創設者、スピーツィア博士が、人の季節ごとのホルモンや肌状況も考慮しながら開発したスキンケアラインです。
オイルをベースとしたスキンケアが多く、スロービューティーをコンセプトに、肌の栄養と再生に必要な成分をふんだんに使っています。
おすすめはカカオを使用したチョコレートマスク。
栄養が高いカカオとアルガンオイルで肌に栄養とうるおいを与えます。
ジャパンオーガニック
その名の通り、国産のオーガニックブランドです。
天然由来95%、植物原材料95%以上がオーガニック成分であり、主成分に玄米や黒豆などの日本の植物をふんだんに使っています。
世界基準の認証マークECOCERTも取得しており、成分だけでなく、環境にも優しいブランドです。
国産の原材料にこだわっているので、日本農業の応援にもつながります。
QUON
「久遠(あることがいつまでも続くこと)」を理念とした奈良県のオーガニックブランドです。
主成分は、奈良県の縄文時代から歴史ある都祁(つげ)の里で栽培された、「大和茶」を原材料にしています。
化学製品100%フリーを実現しており、お茶の成分をたっぷり堪能できます。
おすすめは化学製品100%フリーのUVセラム。
スキンケア用の化粧水、乳液の成分をベースに、UVケアの成分が入っている商品です。
しっかりUVケアもしながら、お茶の成分で化粧水のようにみずみずしい使用感でさっぱりと使えます。
SHIRO
国産のオーガニックコスメブランドで、「酒かす」「かごめ昆布」など日本古来の自然素材を使っています。
また、エシカルにもこだわっており、「エシカル割」として、箱無しの製品を選ぶと割引が適用されます。
使うことで、エシカル消費にも貢献できるブランドです。
THE C
「フルーツで世界を輝かせる」を理念に、フルーツを原材料としたオーガニックコスメブランドです。
THE Cはフルーツを通してさまざまな活動に取り組んでおり、THE Cの商品を使用する事で、日本のフルーツ農業を守ることにもつながります。
一番の人気商品は美容液で、商品の特徴は、フルーツの力を最大限使ったビタミンCを多く含んでいることです。
美容液の開発に2年半かかっており、肌にのせた瞬間「じゅわ」と広がる新感覚なテクスチャーです。
酸化を防ぐ特殊な技術で、新鮮な成分が含まれています。
john masters organics
すべての商品にオーガニック成分が70%以上配合されているオーガニックコスメです。
ヘアケア、スキンケア、ボディケアの商品を扱っており、特にヘアケアはオーガニック成分で頭皮もケアできるものになっています。
trilogy
ニュージーランド産のオーガニックコスメブランドです。
ローズヒップを主成分とし、主力商品のローズヒップオイルは世界で約20秒に1本売れているそうです。
ビタミンA、C、Eが豊富に含まれており、肌の角質層に浸透し、乾燥や敏感肌にうるおいを与えます。
なんと英国王室のキャサリン妃や人気モデルのミランダ・カーも愛用するなど、セレブや美容家にも人気な商品のようです。
ローズヒップオイルをはじめ、数多くの商品でオーガニック認証バイオグロ(動物実験を行わず、遺伝子組み換えの植物の使用がない)を取得しているため、ニュージーランドではメジャーな商品ですが、成分にも安心できるブランドです。
さいごに
いかがでしたか。
人の肌本来の美しさを引き出すだけでなく、オーガニックコスメを使うことは、環境や動物にも良い影響を与えます。
オーガニックコスメと一口に言ってもたくさん種類があるため、自分の肌に合うものを選ぶことはもちろん、ブランドがこだわっているコンセプトや思いを調べるのも楽しみの一つではないでしょうか。
自分自身の肌にも、環境にも配慮したお気に入りのオーガニックコスメを見つけてみませんか。